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大和本草
十一園木
白桐 此木切れば早く長ず、故にきりと雲、桐の類多し、梧桐は青ぎり(○○○)也、白桐はつ子の桐なり、世に白桐お多く用て器とす、良材なり、花淡紫あり、白きあり、実は桃に似て内に薄片多し、是おうふれば生ず、時珍雲、其材軽虚、色白而有綺文、故俗謂之白桐、女子の初生に桐の子おうふれば、嫁する時其装具の櫃材となる、子(み)おうえ枝おさすべし、早く長じやすし、凡さし木は実うへにしかず、荏桐は油ぎり(○○○)也、海桐ははりあり、はうだら(○○○○)と雲、梓も楸も皆桐の類也、又犬きり(○○○)と雲ものあり、其木理朴(ほヽ)の木の如し、これ白楊なり、是も器に作るべし、頳桐はひぎり(○○○)也、花紅なり、けらの木あり、実紅なり、是皆一類なり、