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本草弁疑
四木
梔子(しし) 薬家に色よし、山巵子薬山巵子と雲二品あり、色吉と雲は新に色不損して、染家に用る上品なり、薬山梔子と雲ふは、古く色損じて染家に不用、下品の者お服薬に充つ、是のみに非ず、紅花も色よき新お染家に用ひ、〓ひて色悪お薬に用ゆ、二つ共に染家に用るは価高く、色損じたるは価下き故なり、身おかざる者には択て上品お用ひ、治病延年の為にする者には可択、捨ものお採用ゆ、花麗お重じ身命お軽んずること、真に愚の甚哉、 新して色不黒、七稜より九稜に至る者お可用、七稜九稜の者甚希也、