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百品考

吉利子樹 和名へうたんのき(○○○○○○)〈◯中略〉 深山幽谷に生ず、木の高さ五六尺、葉は桃葉に似て先尖る、横理左右に三四条あり、其外はすぢなく薄き葉なり、両対して生ず、発芽のとき葉間に細茎お出す、長さ七八分、小花二輪づヽ其末に附く、一節に二茎四花なり、花は五弁にして、徐長卿(すヽざいこ)の花に似て弁細く端尖れり、緑色にして心黄なり、後実お結ぶ、一茎に二粒駢生す、一は大にして一は小なり、形ち狐蘆の如し、故にへうたん木と雲、熟して色紅中に円子あり、色黄なり、