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重修本草綱目啓蒙
五石
石炭〈◯中略〉 石炭の上品にして器物に作る者、多くは木たちの石炭なり、木たちのものは、別に漢名木煤〈雲南通志〉と雲、雲南通志雲、石炭一種状如樹而有条理者謂木煤、即ち奥州大隈川、及び同国棚倉の埋木、予州より出る所の扶桑木、皆同物なり、又阿州麻植郡森藤村にも産す、地お掘ること二三尺、或は五六尺、其厚さ一尺許にして横行すること数十間に及ぶ、この物地中にて実お結ぶ、黒色にして長さ六七分、径り四五分、大抵棗子の大にして、豎に六稜ありて、前後尖る、其質松疏にして、櫟炭の如し、奇品なり、