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大和本草
九/竹
女竹(○○) 淡竹苦竹の内に雌雄あり、其雌竹にはあらず、国俗に女竹と雲て葉も身もかはれるあり、大竹とならず、皮おちず、故に皮竹と雲、又苦(にが)竹と雲、笋の味苦き故なり、呉竹の漢名苦竹と雲とは別也、吉田兼好が曰、呉竹は葉細く皮竹は葉広しと雲へり、又小なるおば篠(しの)竹と雲、女竹に二種あり、節高と節低となり、笋の味苦くして呉竹に甚おとる、壁の材とし簀竹に用ひ、魚笱とするに呉竹にまされり、民用多し、矢箟竹は節ひきく直し、肉厚く葉大なり、篠竹の類也、