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冠辞考
七/奈
なゆたけの〈とおよるこら みことも〉巻三に、〈長歌〉名湯竹乃(なゆたけの)、十縁皇子(とおよるみこ)雲々、こはたおやかなる女の姿お、なよヽかなる竹に譬へて冠らせたり、なゆ竹は女竹にて、〈是お皮竹ともいふ〉ことになよヽかにたわめばしかいひ、〈なゆなよ音通へり〉且とおよるも、たおやかてふに同じくて、共に音かよへり、古事記に、〈大名持命お祭る詞〉打竹之(うちたけの)、登(と)々遠々登(おヽと)々遠々邇(おヽに)〈畳字おかく書て、訓はとおヽとおヽとよむは、古への例也、〉献天之真魚咋也ともあり、