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古今要覧稿
草木
しほ竹しほ竹は阿波国の名産なり、予〈◯屋代弘賢〉此頃得しは、幹の長さ三尺許にて、周囲に凹処数縦道ありて、下節上より上節下に至る、その凹処にまた巨細の異なる有て、各おなじからず、節は五節にして第一節は節間相去る事四寸九分、第二節はその間五寸六分、また第三節四節に至りては六寸六分、或は七寸二分もあり、其節の状苦竹よりも低くして、頗る淡竹の如し、又竹肉お細査すれば、上下の肉は左右の肉よりも少しく厚きお以て、たての径一寸九分、よこの径一寸七分にして、竹身正円ならざるものは、此竹の性也、一種山竹(○○)といふ物あり、これお前条に比するに、その凹処やや浅し、〈本草一家言〉此二種は実に本邦の異竹にして、西土広しといへども、いまだこれ有事おきかず、