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倭訓栞
前編三/伊
いつくさのたなつもの 神代紀に五穀およめり、五種の種(たな)つ物の義なり、五穀お稲粟稗麦豆と定めたまひしは、天照大神の制なり、西土にては、月令素問、周礼注、谷梁伝注、楚辞注、孟子注等、各異ありて一定せず、されど稗は収入ず、孟子にも五穀も、稗にしかずといへり、古事記には稲粟小豆麦大豆と見ゆ、