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古事記伝

稲種、五品の中に、此のみ種と雲るは、いかにと雲に、まづ下に成種とあるお以見るに、此に生(な)れるは、五品ながら其実なり、然るに余の四品は、種と雲ねど、おのづから実のことなるお、稲は伊禰とのみ雲ては、穂に在時の名にして、実とは聞えず、茎ながら生たる如聞えて、まぎらはしければなり、