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万葉集抄
十二
水かげ草とは、稲の名也といへり、水におふる草なれば、みづかげぐさと雲成べし、さてみづかげといひいでんための諷詞に、あまのがはとおけり、そらのいろはみどりなるに、あまのがはのしろきは、しら浪のうかびたるやうにみゆれば、水のかげのうつりてみゆるによそへて、あまのがは水かげぐさとつヾくるなり、