[p.0789]
傍廂
後篇
おしねとおしねとは異なりおしねは晩稲にておくてなり、早稲おわせといふ対言なり、おしねは小稲にて、美称なれば、早稲晩稲共にいへり、新勅撰集、散木集などに、わさ田のおしねとよみしは早稲なり、新撰六帖に、浜田のおしね打ちなびき早刈しほに成りぞしにける、とあるもわせなり、続古今集に、しら露のおくてのおしね雲々、新続古今集に、夕霜のおくてのおしね雲々とよみしは、おくて即おしねなり、おしねはおくてにて、おしねはわせおくてともにいへり、