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清良記
六上
五穀雑穀其外物作分号類之事〈◯中略〉晩稲之事一黒小法師 一黒定法師 一小児 一大白草 一小とご 一下蜆(えび) 一大堂後稲 一大ぎんばる 一打稲 一辺土稲 一小ぎんばる 一赤我社(われこそ) 一井手口 一小堂後稲 一大えはる〈◯一本作大へはる下同〉 一小白草 一鹿威(おとし) 一小えはる 一晩半毛(おそなからけ) 一赤髭 一小的草 一赤草 一雀稲 一霜稲右廿四品は晩稲也、其内上十二は晩中稲の次、下十二は一の晩稲也、三月中時分苗代お仕廻、五月中節お前に当て植、九月始に苅取、此外種々の名は有といへども、何も皆種子かへりて、国々里々に私に名お付る、農の諺に雲、帷子麦に袷稲といふ雲心は、麦は帷子お著て蒔、稲は袷お著て植よといふ事なれば、早くしてよしとの心也、又雲、五月のしろにうへんより、四月の荒に植るにはしかじといへり、しろとは打おこしたる田お、牛馬にてとろりかきたる事也、荒とは打おこしたるまヽおいふ、是上に同じはやくうへよと雲心也、