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東雅
十三/穀蔬
穀もみ〈◯中略〉 民間の語に、穀およびて菩薩(○○)といふ事あり、此語はもとこれ韓地方言に出しなり、雞林類事に、かの方言白米お漢菩薩といひ、粟お田菩薩といふとしるせり、又俗間に糠味噌といふものヽ、糠と塩とお和して造れるお、名づけてさヽぢんといふ、是は仏経お書写するに、菩薩の字画お省きて、ささとしるす事あり、さればささとは菩薩の義也、ぢんとは塵といふ字の音お以て呼ぶなり、これも米お菩薩といふ事に依れるなり、