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倭訓栞
前編四/宇
うちまき(○○○○) 散米おいふ、大殿祭の祝詞の註に、今世産屋、以辟木束稲置於戸辺、乃以米散屋中といひ、四時祭式の大殿祭条に、御巫等散米、酒、切木綿、殿内四角退出と見えたり、辟木は、屋船久々能遅命、是木霊也にあたる、束稲は、屋船豊宇気姫是稲霊也にあたる、散米は、新嘗に枉津日神の入来らんお饗和して去らすため也、もと天孫日向高千穂の峯に天降りたまひし時より事起れる事、日向風土記に見えたり、産屋の打撒の事は、紫女日記に見え、客忤の打撒の事は、源氏物語に見えたり、