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重修本草綱目啓蒙
十七/造醸
糵米 もやし〈総名〉 一名牙米〈康熙字典〉粟穀麦の分あり、総じて蘖米と雲、薬には多く麦蘖お用ゆ、即麦芽なり、むぎのもやしと訓ず、大麦お水に浸し、脹して芽お生じたるお雲、一夜水に浸し、飯籮に入て能乾て桶に入置き、毎日一度づつ洗乾し、器に入ごとに熱くなりて芽お生ず、初出の白芽は根なり、又一方より晩て出るは葉の芽なり、味甘し、米は味無し、薬舗皆其根葉お去り米のみお用ゆ、時珍の説に、去鬚取其中米、炒研麺用と雲に拠なり、然れども今飴お造るには、根芽共に全く用ゆ、