[p.0879]
重修本草綱目啓蒙
十七/稷粟
蜀黍 とうきび(○○○○)〈京〉 もろこしきび(○○○○○○)〈東国〉 たかきび(○○○○)〈四国〉 たちぎみ(○○○○)〈津軽〉 こきび(○○○)〈肥前〉 ほきび(○○○)〈加州〉 きみ(○○)〈中国〉 きび(○○)〈越後〉 せいたかきび(○○○○○○)〈同上〉 一名蘆穀〈泉州府志〉 朮薥〈山東通志〉 蘆稷〈品字揃〉 〓朮〈同上〉 薯黍〈撫州府志〉 瓜竜〈群芳譜、根名なり、此書誤て稷の附方に入、〉畠の傍に多く栽ゆ、高さ一丈許、茎粗く葉長大にして互生す、夏に至り茎梢に穂お出す、長さ一尺余、枝お分ち多く花お生じ、後実お結ぶ、形円にして皮赤し、磨し麺にし餅となし食ふ、一種三尺きびは、高さ三尺許にすぎず、三尺もろこしとも雲、又ながもろこし、むらさきもろこし、はだかもろこし、かきはだか、しやくながもろこし、おほもろこし、うるちもろこし、もちもろこし、白もろこし等の品類あり、又甲州豆州にかぎもろこしと呼ぶものあり、その穂曲り垂て鉤の如し、本経逢原に、蘆粟穂曲下垂如鉤者良と雲り、