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倭訓栞
前編二十五/比
ひえ 新撰字鏡に稗およめり、微寒の物なれば性の冷る義なるべし、或は振荏(ふりえ)の義、ふり反ひ、風にあたりてこぼれ易きおいふとも見ゆ、又ひえ草あり、狗尾草なり、新六帖に、 穂に出る夏田にまじるひえ草のひえ捨られて世おや過さん、一説にひえは穇子、黒ひえは稈なりともいえり、