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冠辞考
一/阿
あしがひの 〈あしなへわがせ〉 又あしなべの万葉巻二に、〈◯歌略〉この葦若未おあし加比と訓は、神代紀に、天地之中生一物、状如葦牙(あしがひ)てふに依ぬ、さて葦牙は、葦の若めにて、そは即葦が苗なれば、葦牙の葦苗てふ意にて、人の蹇に転じいひかけたる歟、又は葦若未は阿志奈倍(あしなへ)と訓て、葦のわかき葉すえの靡しなへるお、蹇にいひかけしにもや侍らん、