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更科日記
冬になりて、日暮し雨ふりくらひたる夜、雲かへる風はげしう打吹て、そら晴て月いみじうあかう成て、軒ちかき荻(○)のいみじう風にふかれて、くだけまどふがいと哀にて、秋おいかに思ひいづらむ冬深み嵐にまどふ荻の枯はは