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重修本草綱目啓蒙
八/山草
白茅集解弘景曰、詩雲、露彼菅茅、この詩に詠ずるは菅と茅と二物なり、弘景引て一物とするものは誤なり、時珍曰、菅茅(○○)はかやなり、山中に生ず、すヽきに似て大なり、菅の字おすげと訓ずるは非なり、かさすげ(○○○○)は薹なり、みのすげ(○○○○)は蓑衣草〈通雅〉なり、黄茅(○○)はあぶらがや、あぶらしば、めがや、あいばさう、〈勢州〉かやに似て葉狭くして厚く光あり、茎の末に花叢垂して蜀黍の穂の如にして黄褐色、又穂に油の香あり、故にあぶらがやと雲ふ、八月に花あり、即穀部の塊草なり、香茅(○○)は未だ詳ならず、古へ三角すげの説あれども穏ならず、芭茅(○○)はすヽき次に本条あり、荻(○)はおぎなり、茎中実す、花葉ともに芒に似て大なり、三脊茅(○○○)は香茅なり、屋敗茅はやねにふきたるふきちがやなり、四角茅は屋上のよすみのちがやなり、