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八雲御抄
三上/草
薄 おばな はな しの むら いと 一むら 一もと はた〈万〉 いとすヽき〈俊頼難之〉 しのヽお薄 さきのおすくろと雲は、春やけたる也、すくろのすヽき同事也、しのすヽきはたヾ薄の名也、ほにいでぬと雲正説也、 しの薄ほにいづといへる歌多、但ほにいでぬる、ほにいづるといふに同事也、 又源氏にも、あきのすえにほにいづといへり、 又源氏にほに出ぬもの思らししの薄 後撰にすヽきおみならぬといへり 同集、棟梁、はなすヽきそよともすればといへり、 源氏におばなの物よりことにておさしいでヽまねくと雲り、 おほかたまねくとは、ほにいでヽまねくそでににたる也、