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冠辞考
八/波
はたすヽきはたすヽきてふは、奈良人となりては、さま〴〵に意得しにや、うたがはしき事多し、されどまづ紀に幡荻、万葉巻一に、〈人麻呂〉旗須為寸(はたずヽき)、四能乎押靡(しのおおしなみ)など書たるによらば、秋野の中にすヽきは物より高く顕れて、葉も長くてはヾ有なれば、幡すヽきと雲ならむ、