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重修本草綱目啓蒙
八/山草
芒 すヽき(○○○) みだれぐさ(○○○○○)〈古名〉 そでなみぐさ(○○○○○○)〈同上〉 つゆそぐさ(○○○○○)〈同上〉 つきなみぐさ(○○○○○○)〈同上〉 みくさ(○○○)〈同上〉 てきりがや(○○○○○)〈阿州〉秋に至て花あり、和歌におばなとよめり、獣の尾に似たるが故なり、又あこめのはなと雲、しますすきは、葉に白きたて筋あるお雲、烏木(こくたん)の嫩きは竪に白き筋あり、これお間道烏木と雲、又葉に白き筋ある紫蕚お間道玉簪と雲、其例に効て間道芒(○○○)と名くべし、又一種一本すヽき(○○○○○)は、鉄蕉(そてつ)の如くかぶ高く立て、其上に葉お叢生す、漢名未だ詳ならず、とらふすヽき(○○○○○○)は、葉に虎斑あるお雲、鷹の羽すヽきは、斜に黄なる斑ありて、鷹羽紋の如し、瓶花に多く用ゆ、歌に十寸穂の芒と雲は、穂の長くして一尺許あるお雲、ますうのすヽきと雲は、真蘇方(ますほ)のすヽきお略するなり、色赤きお雲、以上二名大和本草に見たり、又在原すヽき(○○○○○)は四季ともに枯れず、葉大なり、歌にときはすヽきと雲ふ、集解石芒(○○)はいとすヽき、小すヽきなり、五月に花お開く、形状芒に同じくして小なり、掃帚はははき、敗芒箔はふるきすヽきのすだれ、増、一種冬月葉の枯れざる者あり、かんすヽき(○○○○○)と雲、これにも竪に白き筋の入たるあり、しまかんすヽきと雲、又葉辺のみ白きものおかげかんすヽきと雲、至て細きものおいとかんすヽきと雲、共に正月に穂お生ず、