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渡辺幸庵対話
一上総の内に山の根と雲処あり、是諸星庄兵衛といふ人の御代官所也、是に池有、池の堤より水中へ六尺計有て、一本薄とて廿七本生ず、小さきは廻り壱尺余、大は壱尺四寸廻りも可有之歟、根本三尺余も蘇鉄の如く、夫より末に薄一本には、常の薄の如く数百本生ず、廿七本共に如此、一本に千本宛も生ると、古来よりの説也、穂の出る事も野に有と同事也、往古より人さわる事ならず、