[p.0937]
重修本草綱目啓蒙
十/湿草
竜常草 たつのひげ(○○○○○) きりぎりすさう(○○○○○○○)〈和漢三才図会〉 のすヽき(○○○○)〈同上〉 かんずヽき(○○○○○)〈種樹家〉 じやのひげ(○○○○○)〈江州〉野生路傍に多し、小草なり、其葉至て細くして糸の如し、長さ二三寸、一根数百葉叢生す、緑色にして白お帯ぶ、必陽地に生ず、草中に雑の生る者は、葉長くして尺に至るものあり、根は赤色にして細し、四月叢葉中に数茎お抽、高さ二尺許、節ごとに葉お互生す、其葉大にして鵝観草(かもじぐさの)葉に類し、脚葉に異なり、茎の梢に枝お分ち長き穂おなす、知風草(かぜくさ)の穂に似て葉と同色なり、花後実お結び、茎枯て新葉お生じ、旧葉代る、