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重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
地楊梅 すヾめのやり(○○○○○○) しばくさ(○○○○) すヾめのはかま(○○○○○○○)〈勢州〉 やりぐさ(○○○○) すヾめのひえ(○○○○○○)〈播州〉 かまこしば(○○○○○)〈河州〉 かへるぐさ(○○○○○)〈江州〉原野道傍に極て多し、細葉叢生して莎草葉(かやつりくさ)の如し、長さ二三寸にして微毛あり、冬春は紫色お帯ぶ、暖に向へば緑色となる、二月叢中に数茎お抽て、其頂に一毬お結ぶ、大さ三四分、形楊梅(やまもヽ)の如く褐色なり、初め毬外に小黄蘂お吐す、これ其花なり、後毬中に細子お結ぶ、蓼子の如し、肥地に生ずるものは、葉長さ七八寸、毬も亦大なり、