[p.0950]
重修本草綱目啓蒙
二十二/水果
烏芋 くろぐわい(○○○○○) ぐわいづる(○○○○○) ぎわいづる(○○○○○)〈播州〉 いご(○○) ずるりん(○○○○)〈共同上〉 こめかみ(○○○○)〈阿州土州〉 ごや(○○)〈阿州〉 ずるり(○○○)〈備前〉 ぎわ(○○)〈防州〉 しりさし(○○○○)〈越前〉 あぶらすげ(○○○○○)〈仙台〉池沢中に多し、葉は莞葉に似て細小、長さ二三尺、多く叢生す、質柔にして内空し、夏に至り葉上に穂お出す、長さ一寸許、黒色にして白蘂あり、薹(すげ)の穂に似たり、是花なり、根に細白条多し、秋後苗枯る、冬春の間泥お掘れば、白条の末に根あり、形円扁、大さ六七分、皮黒く肉白し、生熟皆食ふべし、唐山にて栽る者あり、本邦にて皆野生なり、