[p.0962][p.0963]
大和本草
六/薬
香附子 上代は薬に不用、陶弘景曰、方薬不復用、是梁の時も猶未為薬而用也、今案に古人の詩には、莎草お多く作れり、然れども古昔要薬なる事お不知して不用、後世には用之て要薬とす、然らば本草に不載、薬にも猶功用ある物多かるべし、本草香附子の集解に、時珍此事お論ぜり、〈◯中略〉今案凡香気ある物は火お忌、香附子は生にて用、炒ても用、血お止る薬の外は、常に炒過すべからず、病に随て生と炒と黒炒と三種用ゆべし、一やうに炒過して用べからず、