[p.1008][p.1009]
大和本草
五/菜蔬
巻〓(おにゆり/○○) 茎高くして黒く葉せばく、葉間に子お生ず、夏秋紅黄花おひらく、花に黒き斑点あり、子お多くとり、其まヽ地にまくべし、又土におさめ置、むかごお植る如く春うふべし、百合(○○)は白花なり、相似て不同、百合の子は根下に生ず、又梢にも子あり、百合は味苦し、巻〓は甘し、果とし蔬とす、味よし、春月早くほりて食べし、おそくとれば根片かれて食すべからず、根片まはりおとりて中おうふべし、むしてほし為末、麪に加へて糕とす、野蔌品に見えたり、