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草木錦葉集

保百合(たもつゆり)作方〈附〉葉らんの丈お長す事保百合は実お取土へ交置、春彼岸頃、川砂五分、赤土三分、黒土二分交合せ実お蒔、家根の下中日の所へ置、生(はへ)たる節より、懸水沢山懸るは悪し、よき程に少しかはきたるは吉、雨お当れば枯る也、二才の二月初頃、植分に孫鉢へ三四本位植る、土は実蒔の土同様にて吉、置所は実生の時より少し日の強き方吉、併日向は悪し、猶雨に当らざる所よし、三才二月初一本づヽ孫鉢へ植分、置所等同様花出たらば日向へ置、雨に当てよし、雨降ば水お受保ちたる事おためし見べし、落花後は又元のごとく雨に当らざる様にして、ひさしの下抔へ置てよし、肥は魚肥の薄きお、四月より七月頃迄三四度懸て吉、