[p.1020][p.1021]
重修本草綱目啓蒙
七/山草
萎蕤 えみくさ(○○○○)〈和名抄〉 あまな(○○○)〈同上〉 あまどころ(○○○○○) からすゆり(○○○○○) じいがひざ(○○○○○) はねむま(○○○○)〈阿州〉 一名女草〈述異記〉 娃草〈同上〉 麗草〈同上〉 黄芝〈発明〉 豆応仇羅〈郷薬本草〉山中陽地に生ず、春旧根より苗お生ずる時、笋状お成して出ること黄精の如し、微紫色、苗亦直上せず、長さ一二尺或は四五尺、形黄精に似たり、その茎黄精より粗大にして三稜本紫にして末は青し、その節紫黒色、その葉互生す、形長楕にして細縦理あり、質厚強にして光滑ならず、白色お帯ぶ、又葉狭長なるものあり、細葉の萎蕤と雲ふ、倶に花実の形状は黄精に異ならず、その根白色横行す、長さ二寸許、年年増長し一尺余に至る、竹節の形おなさず、大さ小指の如し、味甘く生にて食ふべし、乾かすものは淡茶褐色にして、滋潤透明なり、薬舗に貨るもの舶来あり、奥州南部より出すは最肥大にして良とす、蒸熟たるものあり、誤りて蒸黄精と雲ふ、凡黄精萎蕤の形状相似て混淆しやすし、世人多く誤り認む、宜しく二条お参考して弁明すべし、増、一種円葉のものあり、城州白川山に自生あり、誤て円葉の黄精と雲、苗の高さ五七寸、直生して生ず、葉の形まるみありて厚く黒みお帯ぶ、花の形尋常のものに同じ、