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大和本草
九/雑草
山慈姑 若水雲、今多以鉄色箭及石蒜為山慈姑倶非是、かたこ 高二尺許、茎紫色葉面に有黒点、花かざぐるまの如し、紫色なり、比叡山にあり、正月の末開花猶美、根の形芋の如く、又蓮根の如し、若水雲、本草紫参下に出たる旱藕なるべし、其粉如米味甘し食すべし、人お補益すと雲、万葉十九、攀折堅香子(かたかご)草花歌雲々、古抄雲、香子は猪舌とも雲、春紫色の花さく、今按是かたこなるか、新撰六帖にもかたこの歌あり、