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物類称呼
三/生植
冬葱ねぎ 関西にてねぶかと雲、近江にてひともじと雲、〈ひともじは通称なれ共、常に用ゆる所おさして〉〈いふ、〉関東にてねぎといふ、ねぶかとは根ぶかく土に入こヽろ、胡葱(あさつき)は浅き葱の意、根深(ねぶか)に対したるの名なるべし、つは助字なり、和名きといふ、故に一〈と〉文字と雲、分葱(わけぎ)はわかちとる義、刈葱(かりき)は刈とる義とぞ、又ひともじお詠ぜし歌に、 引見れは根は白糸のうつぼ草ひともじなれど数の多さよ