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農業全書
四/菜
蒜にんにくにたね大小あり、大なるたねおえらびて作るべし、種る地の事、良軟に宜しとて、性よく肥てやはらかなる地によし、白く和らかなる地にうゆれば、味甘く根茎も大し、黒く堅きこはき土などにうへたるは、辛くして瘠て小し、地のこしらへ、三遍耕し、細かにこなし、畦作りし、小筋にがんぎお切、間お二三寸づヽおきて、一粒づヽならべうへ、牛馬糞の久しくかれたるお多くおほひ培ひ、其上より水ごえおそヽぎ、生出て後草あればぬき去、中おかぢり、熊手にてかきあざりなど、さい〳〵して、其度ごとに糞水おそヽぐべし、うゆる時分の事、八月中旬九月初めまではよし、小蒜は少早くうゆべし、