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草木育種
下/葉或実視べきもの
一船〓(はらん/○○○)〈本草小識〉 葉に狭と闊と二種あり、葉のせばきはよく立ものなり、又星あるもあり、葉の闊は葉の先垂るものなり、是に間道(しま)あるおあふみと雲、是はあまり肥過れば斑返るもの也、肥お少づヽ用て手入およくすべし、盆に植れば斑かへらず、春根の本に花お開、秋実お結て、形柚のごとく中に実あり、玉蜀黍の種に似たり、直に植ればよく生ず、根分八九月よし、地は黒ぼく野土は悪し、下谷辺の土よし、又赤土に溝の揚土お切まぜ植てよし、肥は冬春の間根もとへ人糞馬糞お入てよし、又折々油糟お解て澆べし、又月代の毛お置てよし、日陰に植、日陽なれば蘆簀お覆、冬は霜除お拵てよし、手入よければ長さ五尺に至るなり、