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大和本草
六/薬
麦門 大葉は葉あつし、五月に茎立て、頭に穂の如く長く連りたる紫花お開きて実なる、秋熟す、林中に多く生ず、葉蕃茂す、実おまくべし、根も小葉麦門の如にして大なり、観音草の葉はうすくして少広し、花なし、能似たりといへども別也、大小麦門ともに薬に用ゆ性同、大葉は蘭葉に能似たり、庭園にうへてもよし、本草にも大小三四種ありといへり、大小麦門共に根大なるお良とす、一種葉は大葉麦門に同じ、葉春及夏初純白なり、故に翁草(○○)と雲、後漸青くなる、根は門冬あり、花も大葉麦門の如し、異草なり、是大葉麦門冬の別種也、又一種大葉麦門に似て葉狭く、地筋のごとく、葉茎つよし、根は同、