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枕草子

故殿の御ふくのころ、六月卅日の御はらへといふ事に、出させ給ふべきお、しきの御ざうしは方あしとて、宮のつかさのあいたる所にわたらせ給へり、〈◯中略〉女房庭におりなどしてあそぶ、ぜんざいにはくわんざうといふ草お、ませゆひておほくうへたりける、花きはやかにかさなりて咲たる、むべ〳〵しき所のぜんざいにはよし、