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採薬使記
上/奥州
照任曰、奥州南部遠野と雲ふ所に、萵苣葉の蓁芁お産す、其花葛の花の如く紫色なり、即ち官園に納む、光生按ずるに、萵苣葉の蓁芁と雲ふは、猩々袴(○○○)と雲ふ草の一種なり、根の形ち左右へねじれたる物なり、張璐が医通に曰、左にねじれたるお蓁として湿病お治し、右にねじれたるお芁として、是お用ゆる時は脚気お発す、慎て用ゆることなかれと雲へり、