[p.1083]
大和本草
七/花草
玉簪花 六月開花、葉闊有文条、本草毒草類にのす、有毒一名白萼と雲、京都にて高麗ぎぼうしと雲、筑紫にてぎぼうしと雲、紫萼 玉簪より花葉ともに小に、花うす紫なるお、京都にてぎぼうしと雲、筑紫にてさぎ草と雲、是紫萼也、玉簪と一種別物也、紫萼は花未開時は鷺の不飛時の形に似て、頭長く觜身足備はれり、開ては鷺の飛形の如し、花六出なり、茎の末に花二十余つらなりさく、しべ長し、玉簪花は葉大に、紫萼は葉小なり、紫萼は秋花さく、又四五月に開くもあり、