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重修本草綱目啓蒙
十六/雑草
吉祥草 和漢通名 みかんぐさ(○○○○○)〈勢州〉 くはんおんさう(○○○○○○○)〈通名〉 一名観音草〈天台山方外志〉 吉祥蘭〈福州府志〉路傍陰地に生ず、葉萱草の葉に似て短小、麦門冬の葉より短薄、一根に叢生す、冬お経て枯れず、夏根上に茎お抽ること長さ数寸、穂おなして花お開く、大さ四分許五弁にして厚く、外は紅紫色内は白色にして瑞香花の如し、後円実お結ぶ、麦門冬より大なり、初緑色、熟すれば紅色、枯れて黒色となる、時珍の説に非此吉祥也と雲ふは誤なり、