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物類品隲
三/草
仙茅 和名きんばいざヽ(○○○○○○)、先輩きすげとするは大なる誤なり、容曰、仙茅葉青如茅、而軟且略闊面有縦文、又似初生椶櫚秧、高尺許、至冬尽枯、春初乃生、三月有花如梔子花、黄色不結実、其根独茎而直、大如小指、下有短細根相附、外皮稍粗褐色、内肉黄白色、東璧曰、蘇容所説詳尽得之、但四五月中抽茎四五寸、開小花深黄色、六出不似巵子と、以上両説きすげにあらず、此もの葉初生の椶櫚葉に似て、六弁の深黄花お開く、大さ五六分許甚可愛、根は菖蒲根のごとくにして、又別に小根お附く、其形略人参に似たり、皆容が説のごとし、但容不結実と雲ものは非なり、花謝後茎更に延ること寸余、茎下豊にして形棗〓のごとく、内に実あり、熟すれば迸裂す、其内白穣ありて実お包む、実は椒目のごとくにして稍小なり、長崎八郎山産、戊寅歳田村先生始て是お得たり、己卯主品中に具す、