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重修本草綱目啓蒙
七/山草
仙茅 きんばいざヽ 増一名阿輪勒陀〈本草〓〉 阿輪乾陀〈本草原始〉四中に舶来の根多し、形胡黄連の如にして緊実、味甘薟色黒し、今きんばいざヽに充る説あり、よく允当せり、その草は北地に産せず、南紀及四国九州地方に多し、葉は薹(すげの)葉に似て短く、柔軟にして膚お傷らず、長さ数寸或は一尺余、緑色に微白毛あり、一根数葉、夏秋葉間に小根お出し、上に黄花お開く六出、大さ五六分、その根直生す、横紋あり、傍に小根お附ること、長解の説に異ならず、又舶来の者と同じ、又一種細葉なる者あり、花微し小なり、倶に冬は苗枯れ、春に至りて旧根より葉お生ず、