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物類称呼
三/生植
仏掌薯つくねいも 東国にてつくねいも、又つくいも(○○○○)、又山のいも(○○○○)、又やまと(○○○)などと称す、関西にても山のいもといひ、又一名うぢいも(○○○○)といふ、奥州仙台にてはだいしいも(○○○○○○)と雲、津軽にては唐いも(○○○)と雲、土佐にて手いも(○○○)と雲、上野にてみねいも(○○○○)といふ、今按に山のいもと呼所おヽし、然どもやまのいもは薯蕷にて、東国に長いもといふ是なり、又薬物の山薬は、自然薯蕷お用ゆ、南郭遺契に負暖雑録お引て、山薬本名薯蕷、避唐代宗諱予、改名薯薬、避宋英宗諱曙、遂名山薬雲雲、又つくねいもお山のいもといふは、其形山のごとく、又峯のごとし、或石或人の手にも似たり、故にかく名づくるなるべし、