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成形図説
二十二/菜
毛芋(けいも)〈根芋魁のごとくて、〓鬚あるお似て名けり、〉 何首烏芋(かしういも)〈或は毛芋、何首烏ともいふ、〉 大頭久(おほづく) 比米〈西州◯中略〉毛芋は藤生にて、葉宛がら薯蕷に類て稍長太く、色深し、野生なし、園甫中に種芸(つくれ)り、棚に搭(はヽ)し引上す、晩夏葉間に花開く、暮秋に根成て実著く、暖地にては葉に虫お生ぜり、而其根団に、大さ斗の如く毛多し、外土黄色、肉は微黄なり、味略家芋(さといも)に似て粘とねばらざるあり、〈◯註略〉其根お乾し蓄て、明年の種となせり、〈◯中略〉上総あたりにて、大づくと呼て、湯に瀹し、塩お傅(つけ)て朝夕の飯にかてヽ食へり、