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倭訓栞
前編十八/登
ところ〈◯中略〉 和名抄に黄薢、新撰字鏡に土薢おも訓ぜり、拾遺集によめり、古事記にところづらとも見ゆ、薢蔓の義也、春盤に用るは所領の義お取也、本朝式に〓と見え、漢語抄には野老と書り、所出未詳といへり、長鬚あるおもて名くる也、類聚雑要五節殿上饗にも見えたり、あまどころと称するは葳蕤也、姫どころと称するは女萎也、鬼どころと称するは萆薢也、枕草紙に見ゆ、山どころといふは知母也、字鏡に見ゆ、