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拾遺和歌集
十六/雑春
春ものへまかりけるに、つぼさうぞくして侍ける女どもの、野べに侍けるお見て、なにわざするぞととひければ、ところほるなりといらへければ、  賀朝法師春の野にところもとむといふなるはふたりぬばかり見てたりや君返し よみ人しらず春の野にほる〳〵みれどなかりけり世に所せき人のためには