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大和本草
七/花草
紫羅傘(いちはつ) 又鳶尾と雲、閩書雲、本草図経名鳶尾、葉似射干、花色紫碧、不抽高茎、俗呼紫羅傘、其根即鳶頭、亦入薬、射干胡蝶花此類也、図経又曰、人家亦種、葉似射干而闊短、与射干全別、射干花紅抽茎長、今案〈◯貝原篤信〉陳蔵器蘇恭所説射干は、倭名からすあふぎなり、鳶尾はいちはつなる事分明也、からすあふぎは茎高く花紅なり、いちはつは茎短く葉ひろく、花紫に燕子花に似たり、綱目に鳶尾とあるは是いちはつなり、蘇恭保昇が説よし、時珍が説不可拠、民家茅屋の棟にいちはつおうへて大風の防とす、風いらかお不破、蝴蝶花も此類なり、又花白あり、