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大和本草
六/薬
射干 和名からすあふぎ、漢名も亦烏扇と雲、本草に陳蔵器曰、射干葉如鳥翅、秋生紅花赤点、人間所種為花草、丹渓曰、紫花者是なり、紅花者非なりと、今日本のからすあふぎには未見紫花者、但中夏にありて日本になき也、時珍曰、紫花者呼為紫胡蝶、いちはつと雲物、射干に似て花紫なる故、是丹渓が所謂花紫なる者ならんと雲人あれども、射干と鳶尾は全く別なりと、蘇恭もいへり、隻日本には射干の紫花なる者なしとすべし、射干非一種、有花白者花黄者花紫者といへり、