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剪花翁伝
三/五月開花
檜扇草 花一重、色黄にして葩本に黄朱の点あり、葉の並び檜扇に似て中高く伸るなり、開花五月中旬なり、方日向、地二分湿、土回込、肥油粕、移正月中よし、已下の諸檜扇草ともに育方同じ、国部檜扇草(こくぶひあふぎさう/○○○○○) 花形ちとも尋常の檜扇草に同じ種なれど、英低き曲り屈むほどに、花茎漸々延るにいたつて丸く纏はれ、英竟に外に出て咲也、開花五月中旬、育方前に同じ、〈◯中略〉蝦夷檜扇草(○○○○○) 花二種、赤色黄色最上品なり、開花五月末なり、育方既に上の章に出たり、形容花茎短く、葉もくねりてよくしまり、長七八寸に過ず、