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大和本草
七/花草
燕子花(かきつばた) 国俗昔より杜若おかきつばたとす非也、杜若はやぶみやうがと雲もの也、燕子花は三四月に花お開く、其性未詳、福州府志に出たり、倭名貌吉花と雲由、蔵玉に見えたり、水草なり、然ども水深くして葉の鋒までひたれば枯る、陸地にもうふ、濃紫色にして四時花開くあり、又白花あり、猶異品あり、小燕子花あり、葉茎花の形は同、茎高二三寸、花甚小なり、正月に開花、是大なると異り、湿地に宜し、不宜于水中、